
在留資格シリーズ~日本に留学したい!
- 日本に留学するには、「母国から直接日本の大学に進む」場合と、「日本国内の日本語学校などで日本語を学んでから大学に進む」場合があります。
- 日本語学校に入学するためにも、最低限の日本語能力が必要です。また、日本の大学に留学する際にも、日本の大学の過半数が、日本への留学希望者の日本語力と基礎学力を測る「日本留学試験(EJU)」を利用しています。
- 留学生も「資格外活動許可」を得ればアルバイトをすることができます。
留学生(外国人)が日本で勉強する方法は?
外国人が、日本で勉強するためには、「日本で何を学びたいのか」という留学の目的によってパターンが異なります。
また、それぞれの目的によって入国条件が異なりますので注意が必要です。
※Jテストについてはこちら
日本の高等教育機関(大学院、大学、短期大学、専門学校)では、基本的にすべて日本語の授業で行われます。
したがって、学校の授業についていくためには、日本語能力試験のN1、N2級程度の能力が必要です。
こうした日本語の能力が身についていない場合には、まず日本語学校等に入学し、集中して勉強してから日本の大学等へ進学を目指すケースも少なくありません。
- 入管法の改正により2015年以降、「留学」の在留資格の対象が小・中学校の児童・生徒にも拡大されました。
(監護者、宿泊施設、他の要件があります)
日本語能力試験や日本留学試験って何?
日本語能力試験とは
日本語能力試験は、日本語を学習する外国人を対象として、日本語能力を測定し、認定することを目的に行われる試験です。
※日本語能力試験についてはこちら
この試験は、7月と12月に日本国内と海外で実施されます。
また、日本留学試験(EJU)が実施されていない海外からの学部受験者などで、この試験の受験を必須としている大学もあります。
日本留学試験(EJU)とは
日本留学試験(EJU)は、日本に留学したい人のための日本語力と基礎学力を測る試験です。
私費外国人留学生に対する日本の大学等への入学試験の1つとして、日本学生支援機構(JASSO)が実施しています。
※日本留学試験(EJU)についてはこちら
この試験は、6月と11月に日本国内とアジア地域を中心に海外17都市で実施されます。
日本語、理科、総合科目、数学の科目の中から、志望校の指定する科目を選んで受験します。
日本国内の大学のうち、447校がこの試験を利用しています。
日本に留学する手順は?
日本の大学または日本語学校に合格したら、本人に代わって在留資格の申請取次を許可された学校職員または、申請取次行政書士が、「在留資格認定証明書」の交付申請を行います。
「在留資格認定証明書」が交付されれば、外国人に送付されます。
その後本人がそれを持ってビザ(査証)を得て、日本に入国するという流れが一般的です。
日本で留学できる期間は?
「留学」の在留期間は「4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月または3月」と定められています。
3ヵ月という区切りが入っているのは、日本以外の国は9月に学校が始まる場合が多いため9月入学を想定しています。
「留学」以外の在留資格で大学などには通える?通えない?
「短期滞在」の在留資格で大学等に在籍することはできません。
一方、「家族滞在」「定住者」等の在留資格の方は入学することはできますが、「留学」以外の在留資格の場合、奨学金等、留学生対象の各種補助制度は利用できないので注意が必要です。
留学生はアルバイトできる?できない?
留学生は日本に興味があって来日するため、日本の文化に直接触れることができるアルバイトをしたいと思うのは当然の流れでしょう。
留学生も入国管理局で「資格外活動許可」を得ればアルバイトをすることができます。許可が下りるまで2週間から2ヵ月ほどかかるので、早めに準備しておきましょう。

☆外国人は、在留資格で許された範囲を超えて収益活動を行うことが、法律で禁止されています。
☆ただし、あらかじめ資格外活動許可を受けた場合には、その許可された活動に限って、収益活動を行うことができます。(上記許可を受けずに、収益活動を行った場合には、刑罰の対象となります。)
また、留学の目的である学業の妨げにならないよう、1週間の労働時間に制限があります。学校がある時は、週28時間まで働くことが認められています。
また、学校がない長期休暇中には、1日8時間以内で働くことができます。
これを超えて働くと学生本人は退去強制(日本から追い出され)、雇用した事業者側も不法就労助長罪で3年以下の懲役か300万円以下の罰金またはその両方が科されることがあります。
留学生に人気のアルバイトは?
留学生の多くはどのようなアルバイトをやっているのでしょうか?
また、禁止されているアルバイトには、どのようなものがあるのでしょうか?
留学生には働ける時間に制限はありますが、働く時間帯に制限はありません。
18歳以上であれば深夜でも働くことができます。
【留学生に人気のアルバイト先】
コンビニエンスストア
コンビニは日々利用している場所で親しみもあり、お店の雰囲気や仕事の流れの一部は働く前に確認できるという安心感もあります。
また、多少日本語に不安があっても難しいやり取りは多くはないので、日本語初心者でも働きやすい職場です。
飲食店
カフェ、レストラン、居酒屋、ファーストフード、ファミレスなどの飲食店は、お客様とのコミュニケーションが必要な場面がありますので、日常会話や日本のサービスを学ぶ場となるでしょう。
また、制服が着物の和食レストランでは、着付けや作法も学べるので、日本文化に興味がある方におすすめです。
ホテル
日本語に自信があるなら、母国語を生かしつつ、日本流のおもてなしを体感することもできるでしょう。
厳しい研修などもあるかもしれませんが、高時給も期待できるのでチャレンジしてみる価値があると言えます。
やってはいけないアルバイト
留学生は、「風俗営業」に当てはまるお店で働くことができません。
例えば、主にキャバクラ、スナック、バーなどを指します。接客のみならず、キッチンや清掃のお仕事などでも、これらのお店に関わる仕事全般が禁止されています。
また、ゲームセンターも「風営法」対象のお店ですので働くことが禁止されています。
上記の点で違反をしてしまうと、卒業後の進路にも影響が出てしまいます。
日本で就労することができなくなることはもちろん、不法就労と判断されてしまったら、就労はもちろん、留学さえ取り消されて在留できなくなってしまいます。
退去強制になった場合には、最低5年は日本に入国できません。
知らなかったではすまされませんので、せっかくの留学資格を無駄にすることのないように、しっかりとルールを守って過ごしましょう。
まとめ
近年、日本にも留学生が増えてきました。
その中でも留学ビザに関するトラブルも目立ってきています。
留学ビザは他のビザに比べて在留期間が短いため、更新手続きなどには特に注意が必要です。
また、留学後にも日本で就職を考えている外国人の方は、日本でのルールをしっかりと守った上で勉学に励むことが重要です。