在留資格シリーズ~短期滞在って何~?

在留資格シリーズ~短期滞在って何~?

  • 外国からの旅行者などが「短期滞在」の在留資格にあたります。
  • 「短期滞在」の在留資格は、「日本に短期滞在して行う、観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習または会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」に対して付与される在留資格です。

最も日本に入国しやすい在留資格って本当?

「短期滞在」の在留資格は、「日本に短期滞在して」行う活動に対して付与されます。
在留期間は、38種類ある在留資格の中で、最も短い日数の「90日、30日、15日または15日以内の日を単位とする期間」です。
一時的に日本に滞在する予定の在留資格であり、収益活動を行うことは認められていません(禁止されています)
具体例は以下の通りです。

  1. 通過、観光、娯楽、保養の目的で来た人
  2. 競技会、コンテスト等にアマチュアとして参加しようとする人
  3. 知人、友人、親族等を訪問しようとする人
  4. 見学、視察などの目的で来る人
  5. 民間団体主催の講習、会議等に民間人として参加する人
  6. 日本に基盤を有しない短期商用の目的の人
    (商談、契約調印、業務連絡、アフターサービス、宣伝、市場調査その他)
  7. 短期の社内講習を受けようとする人
  8. 参詣、宗教会議参加などを目的とした短期滞在者
  9. 報道、取材などのうち一時的用務を目的とする人
  10. 姉妹都市や学校からの親善訪問者
  11. その他、短期滞在しようとする人
    (短期間の病気治療、大学受験者等)

 

なにか注意点はあるの?

「短期滞在」の在留資格で最も気を付けなければならないのは、「働いてはいけない」こと、「報酬をもらってはいけない」ということです。
特に「短期商用」で入国した場合には、労働そのものが禁止されているため、たとえ無報酬であっても、ライン作業や店頭での給仕・接客業務を目的とした来日は、その活動自体が労働とみなされるため認められません
また「短期滞在」の外国人が就職活動を行うこともできません。
時々、観光目的の「短期滞在」で来日した外国人が、日本にある母国語の語学学校の教師に就職できるか、そのための就職活動ができるか?ということを聞かれますが、職安(ハローワーク)での求人は受け付けられません。

 

「短期滞在」から就労ビザ(在留資格)への変更ってできるの?

観光で来た外国人が、日本を気に入って、日本で働きたい場合に就労ビザ(在留資格)への変更はできるのでしょうか?
原則的には、許可されません。
入管法という法律では、短期滞在の在留資格から他の在留資格に変更することについては、「やむを得ない特別の事情」が必要だからです。

それは、「短期滞在」は比較的簡易にビザが発行されていること、ビザなしの場合もあること、そして一方では、中長期滞在予定の外国人の方には厳格な審査を行っていることが原因です。
「短期滞在」で比較的容易に入国してから厳格な審査を受けることができるとなると、現在の入国管理制度そのものを、ないがしろにしてしまうのです。

そのようなことにならないために、「やむを得ない特別の事情」が必要とされているのですが、就労ビザ(在留資格)への変更においては、その「やむを得ない特別の事情」が認められません。

したがって、「短期滞在」者は一度帰国して、就労のためのビザ(在留資格認定証明書)を取得し直し、再入国しなければなりません
これが原則的な対応です。

 

「やむを得ない特別な事情」って具体的にはどんなもの?

「短期滞在」からいわゆる結婚ビザ(在留資格)への変更が認められる「やむを得ない特別な事情」として、考えられる例は以下のものです。

  • 「外国で婚姻の手続きを終えているが日本では婚姻届を提出していない」
  • 「短期滞在中に日本で婚姻届を提出した」
  • 「幼い子どもがおり、子どもの継続的な監護が必要である」

などといったことが考え得るかと思います。
具体的には、在留資格変更許可申請後、入国審査官が個々に状況を検討して、「やむを得ない特別な事情」であるか否かを総合的に判断します。

 

まとめ

「短期滞在」からのビザ(在留資格)の変更は、簡単には認められません。
就労ビザ(在留資格)の場合には、特に厳しく、原則認めてもらうことができないのです。
しかし例外的な方法で、ビザ(在留資格)の変更を認めてもらうことは可能です。
その場合でも、必ずしも変更申請が認めてもらえるものではないこと、準備をしっかりと行っておかなければ、スケジュール的に厳しいということに注意が必要であると理解しておきましょう。


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